戦士諸君、火星には「フォボス」と「ダイモス」という2つの小さな月がある。その正体は、まだ誰にも分かっていない。この謎に挑む日本の火星衛星探査機「MMX」が、いよいよ日本時間2026年10月20日に打ち上げを迎える予定だ。NASAは10月15日の記事で、観測装置とサンプラーなど、このミッションでの担当を紹介した。
打上げの予定(JAXA・NASAの発表による)
- JAXAによると、打上げは日本時間2026年10月20日 午前4時41分03秒の予定。H3ロケット10号機で、種子島宇宙センターの吉信射点から打ち上げる。
- 打上げ予備期間は2026年10月21日〜11月7日。打上げ時刻は予備期間中に変わる可能性があるとJAXAは説明している。
- NASAの記事では、米国東部時間10月19日(月)午後3時41分(日本時間10月20日 午前4時41分)の打上げを目指すとしている。
NASAが担当するもの
- MEGANE(メガネ):フォボスから出る中性子とガンマ線を測り、フォボスが何でできているかを調べる分光計。名前は「Mars-moon Exploration with Gamma rays and Neutrons」の略で、日本語の「眼鏡」にもかけている。ジョンズ・ホプキンス大学応用物理研究所(APL)が開発した。
- P-Sampler:探査機の着陸脚の1本に取り付けられ、フォボスの地面の試料を採るための装置。高圧の窒素ガスを吹き付けて地面の物質を集める仕組みで、Blue Origin傘下のHoneybee Roboticsが開発した。
- ディープ・スペース・ネットワーク:NASAの深宇宙通信網で、通信と航行の支援を行う。
- 地球に持ち帰る試料のうち、約15%をNASAが受け取り、ヒューストンのジョンソン宇宙センターで保管・管理する。
これからの道のり(NASAの発表による)
- 2027年8月:火星に到着
- 2028年12月以降:フォボスで試料を採取
- 2031年:試料を地球に届ける
なぜフォボスとダイモスなのか
NASA本部でMMXのプログラム責任者を務めるトム・スタトラー氏は、2つの月は火星への巨大な衝突でできた残骸かもしれないし、何十億年も前に火星の重力にとらえられた古い小惑星かもしれない、と説明している。その答えが分かれば、地球などの内側の惑星が水や有機物を手に入れていった初期の時代を知る手がかりになるという。
SPU的視点
火星の月まで行って、砂をひとつかみ持ち帰る。往復でおよそ5年の大遠征だ。日本の探査機に、アメリカの「メガネ」とサンプラーが乗り込む。チームで挑むからこそ届く場所がある。バルクんも、打上げの瞬間は三輪車を止めて空を見上げる。宇宙をパンプアップ!
出典:
NASA Science「NASA to Help Unlock Mysteries of Mars’ Moons in Upcoming Mission」(2026-10-15掲載、10-16更新)https://science.nasa.gov/directorates/smd/planetary-science-division/nasa-to-help-unlock-mysteries-of-mars-moons-in-upcoming-mission/
JAXA「Launch schedule of the Martian Moons eXploration (MMX) spacecraft aboard H3 Launch Vehicle flight No.10 (H3 F10)」(2026-08-20)https://global.jaxa.jp/press/2026/08/20260820-1_e.html
JAXA MMX特設サイト https://www.mmx.jaxa.jp/