戦士諸君、牛乳の代わりにオーツミルクやアーモンドミルクを使っている人もいるだろう。英国のサリー大学とクイーンズ大学ベルファストの研究チームは、乳製品を栄養が強化されていない植物性の代替品に置き換えると、ヨウ素などの栄養素が不足する人が増えるおそれがあるとする試算を、11月4日に発表した。英国の食事データを使った試算で、日本に当てはまるかは発表に書かれていない。
どんな研究か
- 英国の全国食事栄養調査(National Diet and Nutrition Survey)のデータを使ったモデル研究(試算)。対象は1歳半から100歳までの3,500人超
- 牛乳・ヨーグルト・チーズを、同じ重さの市販の植物性代替品に置き換えた場合を計算した
- 調べた栄養素は、ヨウ素、カルシウム、リボフラビン(ビタミンB2)、ビタミンB12の4つ
- 実際に代替品に切り替えた人を調べた研究ではなく、調査データの乳製品を代替品に置き換えて計算した試算である
試算の結果(ヨウ素)
- 乳製品の一部(20〜35%)を置き換えただけでも、ヨウ素が足りない人の割合は、思春期の女子で54%から65%に、19〜49歳の女性で32%から42%に増えた
- すべて置き換えると、思春期の女子の80%、思春期の男子の72%がヨウ素不足と計算された
- 代替品の栄養素の強化を義務にした場合でも、思春期の女子の59%がなおヨウ素不足だった
- さらに、ヨウ素を強化したパンを加えると、思春期の女子の不足の割合は37%まで下がった
- 研究チームは、代替品へのヨウ素強化の義務化と、ヨウ素を強化したパンの組み合わせが最も効果的だとしている
背景
- 筆頭著者のSarah Bath氏は、英国には、多くの国にある食塩へのヨウ素添加のような強化の政策が無いため、ヨウ素不足になりやすいと指摘している
- 共著者のKatie Nicol氏は、環境にやさしい食事への切り替えが、人々の健康を損なわないようにすることが大切だとしている
SPU的視点
植物性の代替品が悪いという話ではない。大事なのは、乳製品から何の栄養をとっていたかを知って、置き換える時にそこが抜けないようにすることだ。今回は英国の試算だが、代替品を選ぶ時に、栄養が強化されているかを表示で確かめる習慣は、どこにいても役に立つ。プロテインを植物性ミルクで割っている戦士も、一度パッケージの裏を見てみよう。今日もパンプ!
出典:
University of Surrey「Replacing dairy products with unfortified plant-based alternatives could lead to deficiencies in certain nutrients」(EurekAlert!、2026年11月4日)https://www.eurekalert.org/news-releases/1150411
論文:The impact of replacing dairy products with plant-based dairy alternatives on iodine and other micronutrients: a modelling study and evaluation of policy options to support population intake(The Lancet Planetary Health、DOI: 10.1016/j.lanplh.2026.101515)