Google DeepMind、AIエージェントが抗菌ペプチドの新しい候補を見つける 実験室での検証が進行中

戦士諸君、薬が効かない細菌、いわゆる「薬剤耐性菌」が世界中で問題になっている。Google DeepMindは10月15日、AIエージェントを使って、細菌をやっつける小さなタンパク質「抗菌ペプチド」の新しい候補を見つけたと発表した。ただし、ここまでは計算で確かめた段階で、実験室での検証は今まさに進められているところだ。結果はまだ出ていない。

何をしたのか(Google DeepMindのブログによる)

  • Googleの開発プラットフォーム「Google Antigravity」の上で、AIエージェントに調査の手順を進めさせた。
  • 目的は、レンサ球菌の一種「Streptococcus pseudopneumoniae」が持つタンパク質の中から、新しい抗菌ペプチドを見つけて、計算で確かめること。
  • Googleが開発した、アミノ酸の配列からタンパク質の働きを予測して、言葉の注釈にするAI「ProtNLM」などを使って、働きがまだ分かっていないタンパク質を調べた。

見つかった候補

  • エージェントが見つけたのは、細菌が作る抗菌物質「バクテリオシン」の一種で、アミノ酸97個の長さ。Lactococcin 972ファミリーに属する(Uniprot ID:A0A0U0D591)。
  • 確かめ方は3段階。まず、人の手で確認された既知のタンパク質のデータベース(Swiss-Prot)と比べ、配列がよく似た物が無いことを確かめた。次に「AlphaFold Protein Structure Database」から立体構造を取り出し、実験で構造が分かっている既知のバクテリオシンと、形がよく似ていることを確かめた。さらに、ゲノム上で近くにある遺伝子(genomic neighborhood)も調べ、裏付けを取った。
  • 見つかった候補は、今まさに実験室での検証(ウェットラボでの検証)が進められている。

なぜ大事なのか

ブログによると、薬剤耐性(薬が効きにくくなること)が広がると、2050年までに世界で年間1,000万人が亡くなるおそれがあると推計されている。新しい抗菌の候補を早く見つけることは、この問題に立ち向かう手段のひとつになる。

新しい道具も

Google DeepMindは、タンパク質などの立体構造をAntigravityの中で直接見られる3D表示ツール「Biomolecular Structure Viewer」も紹介した。

SPU的視点

AIが探し、構造で確かめ、最後は実験で白黒をつける。どれだけ計算が速くなっても、最後の答えは現実の試験でしか出ない。トレーニングも同じだ。理論を調べるのはいいが、結果は自分の体で確かめるしかない。この候補が実験を勝ち抜けるか、続報を待とう。宇宙をパンプアップ!

出典:
Google DeepMind ブログ「Accelerating the search for antimicrobial peptides with Google Antigravity」(2026-10-15、Pengfei Tian, Maxwell L. Bileschi, Zoi Tsangalidou, Sukhdeep Singh, Lucy J. Colwell)https://deepmind.google/blog/accelerating-antimicrobial-discovery/

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