Google DeepMind、Antigravityに化学の「Cheminformatics Skills」 薬の設計案を約1時間で提案した例も、実験での確認が前提

戦士諸君、AIエージェントが、薬の候補となる分子を考える作業を手伝う時代が近づいている。Google DeepMindは11月3日、Googleの「Google Antigravity」で、AIエージェントが使える化学の情報を扱う機能「Cheminformatics Skills」を紹介した。研究者向けの道具で、今日から使えるという。

何ができるのか

  • Google DeepMindのブログによると、Cheminformatics Skillsは、化学の計算ツール「RDKit」をもとに作られ、化合物のデータベース「ChEMBL」「PubChem」とつながる
  • 例として紹介された作業では、エージェントが文献から数千の化合物を集め、緩衝剤や溶媒など、関係のない分子を取り除いて整理した(画面の例では568化合物)
  • 例に使われたのは、一部の非小細胞肺がんに使われる第1世代の薬クリゾチニブと、それに似た第3世代の薬ロルラチニブ。環にしたかどうかだけが違う分子の組を比べる分析や、効き目の強さを予測するモデルを使って、新しい分子の設計案を考えた

数日かかる作業を約1時間で

ブログによると、薬の設計では、1回の検討に普通は数日かかる。今回の例では、エージェントが、結合を足して形を固めた、大きな環を持つ新しい分子(マクロサイクル)の設計案を、合成の道筋つきで、わずか1時間ほどで提案したという。

ただし、著者たちは、計算で出した設計は試して確かめるための仮説で、完成した薬ではないとしている。実際に合成して、実験で確かめる必要がある。

使い方

  • Antigravityのアプリをダウンロードし、「Science」プラグインを入れると使える
  • 企業の利用者は「Use Business Account」を選び、Google Cloudのアカウントでログインする
  • Googleは、科学者1万人に、Antigravityの一番上の利用枠を6か月無料で提供するとしている。応募制で、資格・空き状況・選考によって決まる

SPU的視点

文献を集める、関係ない物を取り除く、比べる、予測する。研究者が何日もかけていた下ごしらえを、AIが一気に進める。ただ、ゴールはあくまで実験で確かめること。近道ができても、本当の結果は地道な検証の先にある。トレーニングの記録と同じで、最後に結果を決めるのは実際にやってみた数字だ。今日もパンプ!

出典:
Google DeepMind「Agentic cheminformatics with Google Antigravity」(2026年11月3日、Zoi Tsangalidou、Ruijie (Kelly) Zhang、Sukhdeep Singh、Michael V. LeVine)https://deepmind.google/blog/agentic-cheminformatics-with-google-antigravity/

関連記事:Google DeepMind、AIエージェントが抗菌ペプチドの新しい候補を見つける

Leave a Comment

Your email address will not be published. Required fields are marked *

CAPTCHA


Scroll to Top