乳製品の天然トランス脂肪は、心疾患リスクを上げない可能性。22研究の分析と、読むときの注意点

戦士諸君、「トランス脂肪」と聞くと、体に悪いものというイメージが強いだろう。ところが、牛乳やバター、ヨーグルト、チーズに天然に含まれるトランス脂肪は、工業的につくられたものとは別物かもしれない。英レディング大学の研究チームが、22の研究を分析した結果を報告している。結論を先に言うと、乳製品の天然トランス脂肪は「心疾患や2型糖尿病のリスクを上げない可能性」が示された。ただし、資金源と読み方に注意が必要な研究だ。なお、この論文の公開は2026年5月で、今回の最新ニュースではない。

研究の概要

  • 論文:Nutrition Research 150巻33〜48ページ(Gayet-Boyer ら、2026年)。レディング大学のイアン・ギブンズ教授らが関わった。大学の発表は2026年5月26日。
  • 形式:システマティックレビューとメタ解析。22の研究を統合した。
  • 内訳:食事介入の対照試験10本と、長期のコホート研究12本。欧州、カナダ、米国の数千人が対象。
  • 摂取量の範囲:対照試験で扱われた天然トランス脂肪は、1日1.3〜13.2g。

わかったこと

  • 対照試験(10本):トランス脂肪を増やした乳製品と通常の乳製品を比べても、血中脂質に意味のある差は見られなかった。
  • コホート研究(12本):数年から、場合によっては20年以上追跡した研究で、血中の乳由来トランス脂肪が高い人でも、心疾患・脳卒中・心血管死のリスクが高いという関連は見られなかった。
  • 工業的トランス脂肪との違い:部分水素添加油などの工業的トランス脂肪は、心疾患と強く関連している。大学の発表は、乳製品に含まれるものはそれとは別で、リスクは示されていないとしている。

この結果をどう読むか(注意点)

  • 資金源:この研究は、米国のNational Dairy Council(乳業団体)の資金で行われた。複数の著者が、乳業の団体で働いているか、そうした団体から資金を受けている。
  • 示せるのは「関連なし」まで:長期のコホート研究は観察研究だ。「リスクを下げる」「体に良い」ことを示したものではない。
  • 摂取量の範囲:調べたのは1日1.3〜13.2gの範囲だ。それを超える量については、この研究は何も言えない。
  • 「トランス脂肪は安全」ではない:工業的トランス脂肪が心疾患と強く関連している点は変わらない。乳脂肪をいくら摂っても大丈夫、という意味でもない。
  • この研究が見たのは、血中脂質と、心疾患・糖尿病などの長期の結果だ。それ以外の健康への影響は扱っていない。

SPU的視点:ラベルより「中身」を見る

※ここからはSPUの見立てだ。「トランス脂肪」という名前だけで怖がるより、どこから来たものかを見る視点が大事になる。ただし、資金の出どころも同じ目で見たい。ホエイプロテインや乳製品をよく摂る戦士にとっては気になる話題だが、結論は「安心して食べ放題」ではない。日々の食事と睡眠という土台を整えたうえで、判断の材料の一つにしてほしい。

今日も、パンプ!

出典

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