戦士諸君、月の周りを飛んで帰ってきた飛行士が、次は地上でNASAの技術を支える側に回る。NASAは2026年10月13日、宇宙飛行士のクリスティーナ・コック氏を「副チーフエンジニア代行(acting deputy chief engineer)」に任命したと発表した。就任は11月1日(日)付だ。
何が決まったか
- コック氏は11月1日から副チーフエンジニア代行として、NASAの技術者たちを率いる役割を担う。技術面の監督、ミッションの準備、技術の質に力を入れるとしている。
- コック氏は「管理職の宇宙飛行士(management astronaut)」の立場に移り、今後の宇宙飛行任務の対象からは外れる。
- 前任のキャサリン・バン・フーザー氏は、10月21日(水)を最後に退職する。NASAでの35年以上の勤務を終える。
前任のバン・フーザー氏
バン・フーザー氏は1991年にマーシャル宇宙飛行センターに入り、液体ロケットエンジンのターボ機械を担当した。スペースシャトル最後の21回の飛行ではメインエンジンのチーフエンジニアを務め、SLS(スペース・ローンチ・システム)の液体エンジン部門では初代のチーフエンジニアになった。マーシャルのチーフエンジニアを経て、2023年からNASAの副チーフエンジニアを務めてきた。
コック氏の経歴
- 2013年に宇宙飛行士に選ばれた。
- 国際宇宙ステーション(ISS)に連続328日滞在し、NASAによると、女性の1回の宇宙飛行として最長の記録をつくった。
- 初の女性だけの船外活動にも参加した。
- 2026年4月には、アルテミスIIのミッションスペシャリストとして、月を回る有人飛行に参加した。
- 宇宙飛行士になる前は、ゴダード宇宙飛行センターの電気技術者として科学観測装置を開発し、南極と北極でも現場の技術者として働いた。
NASAのコメント
アイザックマン長官は、コック氏がISSとアルテミスIIで積んだ技術の知識、運用の経験、判断力を挙げ、月、月面基地、原子力、火星というNASAの目標への貢献に期待を示した。NASAのアミット・クシャトリヤ氏(Associate Administrator兼チーフエンジニア)は、バン・フーザー氏の長年の働きに感謝し、コック氏が技術の確かさというNASAの伝統を引き継ぐことに期待するとコメントしている。
SPU的視点
328日の宇宙滞在に、月を回る飛行。宇宙で鍛え上げた経験を、次は地上で仲間のミッションを支えるために使う。現役を退いても、鍛えた力は形を変えて生き続ける。これぞヒーローの次の一手だ。宇宙をパンプアップ!
出典:NASA プレスリリース(RELEASE26-088、2026年10月13日)
https://www.nasa.gov/news-release/nasa-names-astronaut-christina-koch-acting-deputy-chief-engineer/