戦士諸君、1977年に打ち上げられたNASAの探査機「ボイジャー1号」が、まだ踏ん張っている。NASAは2026年10月29日、ボイジャー1号の電力を節約する作業を9月に終えたこと、そして10月に短い時間だけ交信が途絶え、その後復帰したことを発表した。
年に約4ワットずつ減る電力
- NASAによると、ボイジャーの2機は、どちらも1年に約4ワットずつ使える電力が減っている(電源の燃料のプルトニウムが少しずつ崩壊するため)
- 1977年の打上げ時には、科学観測のための装置が10台積まれていた。惑星を通り過ぎた後に止めた物があり、近年さらに2台を止めている
9月の「ビッグバン」
- 9月、技術者たちは、ボイジャー1号の3つの装置を止めて、電力の少ない別の3つの装置に切り替えた。NASAはこの作業を「Big Bang(ビッグバン)」と呼んでいる
- この6つの装置は、機体を温めるのに役立つ物。切り替えは同時に行う必要があった
- 同じ切り替えは、約6週間前にボイジャー2号でも行われていた
- NASAによると、この切り替えが無ければ、早ければ2027年夏に、ボイジャー1号の科学観測の装置をもう1台止める必要があった
2日間、信号が届かなかった
- 10月18日と19日、予定されていた2回の交信で、NASAの深宇宙通信網(DSN)がボイジャー1号の信号を見つけられなかった
- 10月20日に信号が戻った
- NASAによると、スラスター(小さな噴射装置)の1グループが止まり、故障に備えた仕組みが働いて予備に切り替わっていた。原因は調査が続いている
- 途絶えた時、ボイジャー1号は地球から約160億マイル(約240億km)の所にいた
- ミッションの責任者のKareem Badaruddin氏は、機体がこのような動きをしたのは初めてだと話し、再び交信できたことに安心している、と述べた
11月18日、地球から「1光日」へ
- NASAによると、ボイジャー1号は11月18日に、地球から約160.9億マイル(約258.9億km)の所に達する見込み。光の速さで1日かかる距離=「1光日」だ
- そうなると、メッセージを送って返事が届くまで、往復で約48時間かかる。この節目そのものが機体に影響するわけではない
SPU的視点
使える力が毎年少しずつ減っていく中で、どこを削り、どこを残すかを工夫して、打上げから半世紀近くたった今も観測を続ける。限られたエネルギーを大切に使い切る姿は、ベテランの戦士そのものだ。一時は信号が届かず冷や汗ものだったが、備えていた仕組みがちゃんと働いた。光の速さで丸1日かかる遠い場所から、まだ地球に便りを届けてくれている。宇宙をパンプアップ!
出典:
NASA Science(Voyager ブログ)「NASA’s Voyager 1 Conserves Power, Resolves Brief Communications Pause」(2026年10月29日)https://science.nasa.gov/blogs/voyager/2026/10/29/nasas-voyager-1-conserves-power-resolves-brief-communications-pause/