戦士諸君、医師が診察のたびに書く「記録」。その手間を、AIが記録を手伝う「AI医療スクライブ」でどこまで減らせるのか。米国の医療グループ、Beth Israel Lahey Healthのデータを分析した研究が、米国内科学会(ACP)の医学誌「Annals of Internal Medicine」に掲載された。導入後、1回の診察あたりの記録の時間は1.2分減ったが、当日のうちに記録を終えることや、時間外の記録、診療の生産性は改善しなかった。
どんな研究か
- 1つの医療グループ(Beth Israel Lahey Health)での、AI医療スクライブの導入についての品質改善研究
- 対象は外来の臨床医902人、診察160万件超。期間は2024年7月〜2026年1月
- 主に調べたのは、1回の診察あたりで、電子カルテの記録を開いていた時間
- 記録の質は評価していない
結果
- 利用を始めた直後から、記録を開いている時間は1回の診察あたり1.2分減った
- よく使っていた人は、1回の診察あたり約2.5分減っていた。あまり使わなかった人、使わなかった人は、ほとんど変化がなかった(使った量で分けて比べた結果)
- 当日のうちの記録の完了、時間外の記録、診療の生産性は改善しなかった
- 著者らは、ほかの効率の指標への影響について、さらに研究が必要だとしている
SPU的視点
1回1.2分。小さく見えても、診察の数だけ積み重なる。ただし、当日のうちに記録を終えることや時間外の記録は改善しなかった。道具を入れただけで全部が楽になるわけではなく、使いこなし方が鍵になりそうだ。筋トレのマシンも、置いてあるだけでは筋肉はつかない。今日もパンプ!
出典:
EurekAlert!(American College of Physicians)「AI medical scribe cuts clinician documentation time, with greater reduction among more frequent users」(2026年10月26日 17時 米国東部時間解禁)https://www.eurekalert.org/news-releases/1148508
論文:Annals of Internal Medicine、DOI 10.7326/ANNALS-25-05294