戦士諸君、睡眠は「何時間寝たか」だけでは語れないのかもしれない。2026年9月17日に医学誌PLOS Medicineに掲載された研究が、睡眠のステージ(REM睡眠・深い睡眠など)や睡眠時間と、その後の病気の発症との「関連」を大規模に調べた。
研究の概要
- 対象:英国の大規模データベース「UK Biobank」の参加者95,559人。追跡期間の中央値は8.9年。
- 測り方:手首に着けた加速度計のデータから、深層学習のアルゴリズム「SleepNet」でREM睡眠、N1・N2・N3の各ステージ、総睡眠時間、睡眠の不規則さ、入眠後の中途覚醒を推定した。
- 結果:睡眠パターンの違いと、156件の病気の発症との間に有意な関連があった。
関連が見られたこと
- REM睡眠が多いことは、83種類の病気の低い発症リスクと関連していた。
- 深い睡眠が多いことは、7種類の病気の低い発症リスクと関連していた。
- 睡眠時間は「6〜8時間」が最も低いリスクと関連する範囲として、69種類の病気で集中していた。
- 睡眠時間を5段階(5時間未満、5〜6時間、6〜8時間、8〜9時間、9時間以上)に分けた分析では、6〜8時間を基準にして、より高い病気リスクと関連する有意な組み合わせが41件あった。そのうち37件は、睡眠時間が5時間未満のグループだった。
論文の結論は「6〜8時間の睡眠は、より望ましい睡眠の構造と、より低い病気リスクに関連している」というものだ。
読むときの注意
- 因果は言えない:これは観察研究だ。論文自身が、見えていない要因(交絡)の影響を受けやすく、因果関係は推論できないと明記している。「REM睡眠を増やせば病気を防げる」という結果ではない。
- 睡眠ステージは推定値:手首の動きからの推定で、研究室で測る標準的な検査(睡眠ポリグラフ)の結果とは系統的な差がある。論文は、実際の生理的な睡眠ステージと完全には一致しない可能性があるとしている。
- 「6〜8時間」は、この研究で関連が見られた範囲であって、全員に当てはまる処方箋ではない。
SPU的視点:回復は、まず「測る」ことから
※ここからはSPUの見立てだ。筋肉は、トレーニングの最中ではなく休んでいる間に整うと言われる。だからこそ、戦士は睡眠を「なんとなく」で済ませない。今回の研究は、睡眠の長さだけでなく中身にも目を向ける視点を与えてくれる。ただし、手首のデバイスの推定値に一喜一憂しすぎるのは禁物だ。まずは毎日の睡眠時間と、起きたときの調子を記録するところから始めればいい。
今日も、宇宙をパンプアップ!