戦士諸君、食事を変えるのはなぜ難しいのか。イェール大学医学部の研究チームが、その理由の一端を示す研究を発表した。好きな食べ物ほど、頭の中の「評価」を書き換えにくいという結果だ。論文は2026年10月9日、学術誌Communications Psychologyに掲載された。
どんな実験だったのか
- オンラインの調査サービス(Prolific)で集めた参加者を対象にした行動実験。事前に計画を登録した研究で、2つのグループで結果を確かめている。
- 分析の対象は279人。
- 参加者は、強い好き嫌いがあるお菓子を4つ挙げる(好きなもの2つ、嫌いなもの2つ)。
- コンピューターがそれぞれのお菓子に「プラスの点」と「マイナスの点」のどちらを付けるかを予測する。点の付き方は途中で入れ替わり、参加者の好みと一致する場面と、反対になる場面がある。
わかったこと
- 好きなお菓子にマイナスの点を、嫌いなお菓子にプラスの点を当てはめるのは、参加者全員が苦手だった。
- 嫌いな食べ物の評価は書き換えやすく、好きな食べ物の評価は書き換えにくかった。
- プラスの結果との結びつきは、マイナスの結果との結びつきより覚えやすかった。
- 最初に自分の好みが「否定される」場面から始めた人の方が、「支持される」場面から始めた人より、後で予測を切り替えやすかった。研究者はこの効果を「まったく予想外で、かなり強い」と述べている。
研究を率いたイファット・レヴィ博士は、食べ物への好みはとても強く変えにくいとしたうえで、「わずかな工夫で大きな違いが生まれるかもしれない」とも話している。
読むときの注意
- オンライン上の予測の課題で、実際に食べた量や体重を測った研究ではない。
- 嫌いな食べ物の方が書き換えやすいという結果が何を意味するのかは、まだはっきりしていない、と大学の記事は伝えている。
- 研究資金は米国立衛生研究所(NIH)とイェール大学。
SPU的視点
好物の誘惑が強いのは、意志が弱いからではなく、脳の仕組みかもしれない。だったら根性だけで戦わず、作戦を立てよう。好物をゼロにするより、置き換えや量の工夫から始める。減量も増量も、正しい努力は「続けられる形」にすることだ。今日もパンプ!
出典:Yale School of Medicine「Study Helps Explain Why Changing Your Diet is Hard」(2026年10月9日)
https://medicine.yale.edu/news-article/why-changing-your-diet-is-hard/
論文:Communications Psychology「Prior preferences interfere with the associative learning of food values」(2026年10月9日)
https://www.nature.com/articles/s44271-026-00533-5