戦士諸君、AIが「自分でルールブックを書き直して」上達するという研究だ。ユニバーシティ・カレッジ・ロンドン(UCL)、Huawei Noah’s Ark Lab(英国)、リバプール大学の研究チームが、AIエージェント「Memento 3」の論文を公開した(arXivへの投稿は2026年10月8日)。
どんな仕組みなのか
- 中心にある大規模言語モデル(LLM)は「凍結」したまま。つまり、モデル自体を追加で学習させることはしない。
- その代わりに、外部のメモリに「この世界はこう動くはずだ」という仮説を、ふつうの言葉で書いた「ルールブック」として持つ。
- ルールブックを実行できるプログラムに変換し、次に何が起きるかを予測し、行動を計画する。
- 予測が外れたら、ルールブックとプログラムの両方を書き直す。書き直しは、LLMが「プログラムがルールブックと一致している」と判断し、さらにプログラムが実際に観察した変化を再現できた時だけ受け入れる。
論文が報告した結果
- 初めて見るゲームを解くテスト「ARC-AGI-3」で、公開されている25本のゲームの全レベルをクリアした。
- 人間と比べた行動の効率を表す指標(RHAE)の平均は、上限の100.0。
- 使った行動の数は7,518回で、人間の基準(17,135回)の約44%。
- ARC Prizeの標準の環境で動かしたClaude Opus 5と比べて、平均RHAEが59.3ポイント高かった。
- Atari(アタリ)のゲーム「Pong」では、学習した制御の仕組みが、評価した3回とも21対0で勝った。この時は、途中でLLMを呼び出していない。
読むときの注意
- これは研究チーム自身による報告で、専門家の査読を受ける前の論文(プレプリント)だ。
- 対象は「公開されている」25本のゲーム。非公開の評価用ゲームでの結果ではなく、ARC Prizeの公式ランキングで認定された結果でもない。
- Claude Opus 5との比較は、論文の中での比較だ。
SPU的視点
予想が外れたら、自分のルールを書き直す。これは筋トレも同じだ。「このメニューで伸びるはず」と仮説を立て、結果を見て、メニューを直す。頭の中のルールブックを更新し続ける者が、最後に強くなる。戦士諸君、今日のトレーニングノートを開こう。今日もパンプ!
出典:arXiv「Memento 3: Model-Based Recursive Self-Improvement through Reflective Rulebooks」(2026年10月8日投稿)
https://arxiv.org/abs/2610.11794